インドネシア語は必須科目! 就労規定改正のホンネ

外国人はインドネシア語必須

今年に入り、インドネシアの日系社会がにわかに騒然としたニュースがあります。

現地政府は雇用規定を近日改正し、外国人への就労許可を厳格化する方針を発表しました。もっともそれ自体は以前から予想されていたことではありますが、何と当局は非英語圏の国出身の就労希望者に対してインドネシア語テストを課すというのです。

インドネシア 2月に外国人の雇用規定改正、言語義務化へ(日本の人事部)

http://jinjibu.jp/smp/news/index.php?act=detl&id=8671

外国人労働者の雇用に関する労働相令『2013年第12号』の改定作業を進めており、法務・人権省との調整を来月中に完了する。外国人労働者に対するインドネシア語の試験は、英語を母国語としない人向けのテストとして実施する。

これが実施されれば、当然ながら日本人にもこのテストが課せられます。専門技術者などの希少人材に対する措置はどうなるのかは不明ですが、いずれにせよ外国企業のインドネシア進出に大きな不安要素を与えたことは事実です。

昨年の就労者数の業種別内訳は、サービス業が3万8,540人、製造業が2万3,482人、農業が2,582人だった。出身国別の上位6カ国の就労者数は、中国が1万5,341人で最多。これに日本の1万183人、韓国の7,678人、インドの4,680人、マレーシアの3,779人、米国の2,497人が続いた。

日本人就労者の数は中国人に続く第2位。これだけを見ても、今や日本とインドネシアの経済関係が強固なものになっていると窺い知ることができます。

にもかからわず、なぜインドネシア政府は今回の政策を決めるに至ったのでしょうか?

厳格化の理由

今年から本格化する予定のASEAN自由貿易が、就労規定改正に影響を与えたとする現地報道があります。

>インドネシア政府、外国人の就労を厳格化(Tribun)

http://www.tribunnews.com/bisnis/2015/01/16/mau-kerja-orang-asing-harus-bisa-bahasa-indonesia

ASEAN自由貿易は、外国からの労働力を容易に国内へ入れてしまう危険性を持つ。彼らのために雇用枠が埋まってしまうことは、インドネシア人にとって脅威になりかねない。

この文章を読むと、どうやら就労規定改定が先進国出身者を意識したものではなく、発展途上国からの単純労働者向けであるということが分かります。

そして興味深いのは、それに絡んだハニフ・ダキリ労働大臣の発言。

「日本で働きたいインドネシア人は、まず日本語を覚えることが必須条件だ。香港へ行く場合は広東語、中東の場合はアラビア語。それぞれの試験を受けて合格しなければ、海外就労のための出国許可は与えない」

つまり、外国からの批判を避けるためにインドネシア人にも同じ課題を課すというのです。

日系企業への影響

ともあれ、今回の政策がそのまま実施されれば、日系企業にも多大な不都合が出てしまう可能性があります。

インドネシア語習得という、決して易しくはないスキルを課せられることにより本国からの人材の流動性が損なわれ、現地への技術移転も難しくなってしまうのではという懸念があります。日本は世界に誇る「職人の国」。学歴は決して高くなく、言語スキルもないけれど最先端の技術を身に付けたというエンジニアが日本国内各地に数多く存在します。そのような人材をこれからも技術顧問として招聘できるのか、という不安が日本の財界人にはあるのです。

インドネシア政府はそうした問題を今後、どのように解消するかが注目されています。

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