喫食スペースを省略した喫茶チェーン店「Kopi Kenangan」の躍進

インドネシアの『Kopi Kenangan』は、最低限の店舗設備でありながらベンチャーキャピタルからの出資も受けている、今注目のコーヒーチェーン店である。

創業は2018年で、この記事を執筆している2019年2月5日の時点では、ジャカルタ首都圏に33店舗を構えている。

喫食スペースを省略した店舗

ジャカルタ中心部セマンギ立体交差点近くのオフィス街にある商業ビル、Menara Standard Chartered。Kopi Kenanganは、インドネシア経済の発展を象徴するこのビルにも店舗を置いている。

Kopi Kenanganの最大の特徴は、プラスチック製のコップの蓋をラッピングできるという点だ。だからコップを逆さにしても、中身がこぼれることはない。

それが店舗の省スペース化を実現している。コップのラッピングは飲み物のテイクアウトを容易にし、その場で飲む必要をなくした。言い換えれば、喫食スペースがなくても構わないということだ。Wi-Fi設備もない。

現に、Menara Standard CharteredのKopi Kenanganはカウンターのみの店舗である。利用客のための椅子はどこにも見当たらない。利用客の大半は、このビルに入居する企業の社員だそうだ。彼らはここで購入した飲み物を、自社のオフィスに持っていく。ちょっとした休憩時間に利用できる店として設計されているのだ。

驚きの低価格を実現

メニューの価格も比較的安い。

最も高価な「Kopi Baileys」でも4万2000ルピア(約325円)で、飲み応えのあるラテは各種共通2万4000ルピア(約185円)である。

利用客のオーダー後、店舗スタッフはコップに飲み物を注ぎ、それを専用の機械でラッピングする。それだけの工夫で、Kopi Kenanganは喫食スペース自体を省略することに成功したのだ。

また、Kopi Kenanganも他の店舗の例に漏れずオンライン配車サービスとの連携を行っている。以下の動画はGrabがKopi Kenanganを取り上げたものだ。Grab Foodを介したデリバリーサービスも行われている。

800万ドルの資金調達

利用客の長時間滞在を前提にするスターバックスコーヒーとは真逆の性質であるが、そのユニークさによりKopi Kenanganは注目を集めている。

昨年10月、Kopi KenanganはベンチャーキャピタルAlpha JWC Venturesからシードラウンド800万ドル(約8億7400万円)の出資を受けた。この資金は店舗拡大とスマホアプリの開発に充てられるという。

中国では、コーヒーチェーンのラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)が、2018年1月に1店舗目を開業してから年内に2,000店舗を突破し、ユニコーン企業(時価総額US$10億以上)にまで急成長している。持ち帰りが前提で注文はスマホからの注文・決済で、受け取りはQRコードにて対応、レジの行列に並んで注文する必要がなく、この利便性が大いに支持されている。

Kopi Kenanganも持ち帰りが前提でオフィスビルの店舗が多いという点は共通している。今後の動きが大いに期待される。

【参考・動画】

Di Balik Sebuah Rasa - Kopi Kenangan-YouTube