【ジャカルタMRT特集】開通間近の「メイド・バイ・ジャパン」(第1回)

ジャカルタの南北を接続するMRT(都市高速交通)が、いよいよ3月に開通する。

このMRTは、調査から建設まで一貫して日本企業が担っていることで知られている。今回はブンダランHIからレバック・ブルスまでの約16kmがフェーズ1の区間として開通する。

MRTは地下鉄と高架橋の複合路線だ。ブンダランHIからスナヤンまでが地下鉄、それより南は高架式の路線として設計された。建設には清水建設、三井住友建設、大林組、東急建設といった日本を代表するゼネコン企業が参画し、現地の企業と共に推進している。

車両は住友商事と日本車両製造が受注し、そのデザインは日本でもよく見かけるようなものに仕上がっている。日本の技術を結集したプロジェクトと言えよう。

フェーズ2も建設へ

MRT南北線は、2つのフェーズに分けられている。ブンダランHI~レバック・ブルスまでの路線の他に、コタ地区のカンプン・バンダンまでを通す路線も着工予定だ。こちらはフェーズ2と呼ばれている。

このフェーズ2に関しても、円借款契約が昨年締結された。現在は2025年の開通を目指し、実地調査が進められている。

MRTプロジェクトが着工された2013年当時、その開通予定を2018年中としていた。だが円借款に関する契約の再交渉等で工期は延長し、結果的に2019年3月に落ち着いた。しかし2016年頃を境に建設は順調に進み始め、2017年に関係各社の作成した資料にも「2019年3月開通予定」とあった。その工期の正確さは特筆に値する。

渋滞解消の有力手段として

ジャカルタでは、旅客及び貨物輸送の9割以上を道路交通が負担している。

道路渋滞は深刻化し、州政府は自動車に代わる交通手段の整備を公約に掲げている。MRT南北線は、それを解消する有力な手段として期待されているのだ。

そのMRTだが、開通を前にして2月26日から試験運行が予定されている。翌27日からは一般市民が無料で乗車できる試みも行われるという。この試験運行により、具体的な輸送量の分析や改善点の判別などが実施される見通しだ。

筆者はこれからジャカルタMRTに関する特集連載を行っていく。MRTは日系駐在員、そして現地インドネシア人にとって多大な影響をもたらす話題であり、また日本企業が手掛けた大型プロジェクトの好例として伝えるべきものだ。

他の東南アジアの例では、バンコクに2004年開通したMRTは都市開発を加速させ、駅周辺の商業施設や分譲マンションの開発が進んで、バンコクに住む人々の生活を大きく変えた。

ジャカルタでもこのMRT開通を境に、ジャカルタ市民の生活が劇的に変化する可能性が十分にある。

【参考・動画】
Kemajuan Proyek MRT Jakarta per 31 Desember 2018-YouTube