インドネシアの2018年インターネット急成長市場と、2019年の展望

現在、2億6000万人のインドネシア人のうち、1億8000万人がスマホを所持しており、2018年はスマホ上でのサービスの利用が大きく進んだ1年となった。

この記事では、昨年大きく成長した分野の紹介と共に、国政選挙が実施される今年の展望を考察していきたい。

QRコード決済が急速普及した理由

2018年、インドネシアでは、各社がQRコード決済事業に乗り出した。NFC搭載機種は比較的高価だが、どのようなスマホでも背面カメラは必ずついておりQRコードを読み取ることが可能だ。

また、NFCやFeliCaを使った非接触型決済は店舗側が読み取り端末を用意しなくてはならないが、QRコード決済はそれが記載された紙1枚で済む。屋台や小規模店舗にとっては、非接触型決済よりも導入しやすい。

このあたりの事情は、小規模事業者の発展を優先するインドネシア政府の方針にも合致する。キャッシュレス化を推し進めることで社会の効率化を達成し、事業拡大のハードルを下げることもできる。

期待の有望市場「eスポーツ」

QRコード決済と共に、昨年急成長した分野は、eスポーツである。

ジャカルタで開催された2018年アジア大会では、エキジビション種目ながらeスポーツが実施された。インドネシア政府は、世界的大会で成績を残したeアスリートに対してボーナスを支給すると発表している。

また、ジョコ・ウィドド大統領も、eスポーツやオンラインゲームの可能性について言及している。eスポーツはPCかスマホがあればどこにいても参加可能で、トップレベルのプレイヤーになれば国内外の企業がスポンサーに名乗り出るであろうことを考えると、大きな可能性がある。

隣国マレーシアではサイド・サディク青年スポーツ大臣がeスポーツに関する話題をTwitterに投稿した際、ゲーム周辺機器メーカー『Razer』のCEOから出資を約束されたということがあった。ASEAN諸国のeスポーツ市場は、有望な投資対象と見なされているのだ。

配車サービスとキャッシュレス決済

インドネシアの配車サービス市場は、Go-JekとGrabが二強だ。どちらのサービスも多角化し、キャッシュレス決済分野でも両者の競争は日々激しくなっている。 先月、Go-Jekは日系小売大手イオンと連携することを発表した。これによりインドネシアのイオンモールに入居する店舗で、Go-Jekのキャッシュレス決済サービスGo-Payが利用できるようになる。Go-Payを介した分割払いも既に行っている。

一方のGrabは、リッポーグループ傘下のキャッシュレス決済サービスOVOと連携している。このOVOは先月、中小事業者向けの融資事業への進出を発表した。Go-PayとOVO、共にQRコード決済プラットフォームを用意しているが、その方向性にはそれぞれ異なった特徴が見出せる。

飲食デリバリー分野でも、両社は競争している。Go-Foodは今やジャカルタ首都圏のみならず、地方都市にも進出している。一方で、GrabFoodもジャカルタ市内に実店舗兼用の配送拠点を設けることで、より迅速なデリバリーを目指している。

独自のEC市場を形成

インドネシアのECも大きな注目を集めている。

大手ECのTokopediaは、2018年12月にソフトバンクやAlibaba等から11億ドル(約1250億円)の資金調達を行うという報道がなされた。インドネシアはAmazonが進出していない国であり、独自のEC市場が成立している。

もっとも、Amazonはインドネシアに関心がないというわけではないようだ。2018年9月、Amazonがインドネシア市場に最大14兆ルピア(約1兆700億円)の投資を計画していることが報じられた。この国でのサービス開始について、現地政府との協議が進められているらしい。

大手ECは多くのイベントや広告のスポンサーにもなっており、アジア大会のメインスポンサーの1社Bukalapakは、アジア大会中のテレビ広告の出稿費がトップだったと言われている。また、2018年7月に開催されたバドミントンの『ブリブリ・インドネシアオープン2018』であるが、この『ブリブリ』とはECのBlibliのことだ。Blibliは農村部にも多くのユーザーを抱えていて、地方間の流通格差を是正する役割も期待されている。

「選挙特需」を迎えるインドネシア

2019年は国政議会選挙と大統領選挙が、インドネシアの大きなトピックだ。

選挙のある年は、特に小売・飲食サービス分野の需要が増加すると言われている。それはインドネシア各地で政治集会が行われるからだが、2014年と今とではスマホにまつわる状況がまったく異なる。現在ではスマホ自体が普及した上、電子決済を含めた各種サービスも充実するようになっており、多くのサービスが利用されることだろう。

【参考・動画】
Vendron smart vending machines support Mobile Wallet QR payments in Indonesia-YouTube
Jokowi Ingin Indonesia Punya Jurusan eSports-YouTube