スマホ連動の養殖装置で、インドネシア農村部の経済成長を促す「eFishery」

11月13日、『eFishery』が400万ドル(約4億5000万円)を資金調達した。

このインドネシア企業が提供するのは、スマートフォンと連動する養殖装置だ。本社所在地は西ジャワ州バンドゥン郊外の山間部にある。

スマホと連動の自動給餌機

付近に海や湖のない地域でも養殖業は可能だが、養殖は絶妙なタイミングで餌付けする必要がある。それを一から学ぼうとすれば、多くの費用と長い時間がかかってしまう。

eFisheryの製造する自動給餌機は、水中のセンサーとも連動して適切な量の餌を養殖堀に散布する。その際の各設定はスマホアプリを通じて行う。

eFisheryの自動給餌機は現在、インドネシア16の州、67の地域に導入されている。淡水魚だけでなく、エビを養殖するための機器も用意されている。

このeFisheryの機器を採用する村へ、ジョコ・ウィドド大統領が視察に訪れたこともある。その際にジョコ大統領は「Androidを使った自動化システム」について言及した。

Androidと一次産業

Androidは規約に従えば誰でもソースコードを手にすることができるために、高級機種から低級機種まで、様々なモデルに搭載されている。

RAM2GB・ROM16GBのAndroidスマホは、インドネシアでは150万ルピア(約1万1600円)程度の値段で入手できる。このローエンドモデル機種が、インドネシアの農業と漁業に改革をもたらしていると表現できる。

農業機器も漁業機器も、高価な上に寿命がある。数年毎の買い替えが必要だ。しかし、インドネシアの農家にそれをするだけの経済力はない。機器そのものを簡略化し、製造コストを下げることが求められるが、一方で機能を損ねるわけにもいかない。

スマホがあれば、「機器の簡略化」と「機能・性能の維持」という一見矛盾する要望を両立させることができるのだ。

https://youtu.be/fc04K-7koyM

農閑期に産業を

農業には「農閑期」がある。農繁期には出身地で働き、農閑期には都市部へ出稼ぎに行くということがインドネシアでは今でもある。だが、農閑期の穴を埋めるだけの産業が出身地にあるとしたらどうだろうか。eFisheryは、都市部への出稼ぎに代わり収益を農村部にもたらすことができうるビジネスである。

これは、インドネシア政府が目指す産業創出構想に沿う。ジョコ大統領は就任当初から「首都圏以外の地域の発展」を訴えている。

山間地帯に本社を構えるスタートアップが、農村の経済発展のためにAndroidスマートフォンを用いたシステムを開発する。eFisheryは、インドネシアのあるべき未来の姿を示したサービスであり、今後の展開に大きな注目が集まる。

【参考・動画】

eFishery
eFishery Fish Feeder-YouTube
Tech News: e-Fishery, Inovasi Baru Budidaya Ikan dengan Teknologi-YouTube