半径7kmのデリバリーにも対応するフードコート「Kitchen by GrabFood」

配車サービスを手がける『Grab』が、今年9月に西ジャカルタ・ケドヤ地区で新サービスを開始した。『Kitchen by GrabFood(以下Kitchen)』という、フードデリバリーサービスである。

これは、GrabFoodが運営するフードコートだ。食事のできる実店舗を持ち、そこから半径7km以内へ配達するサービスも同時に提供する。

慢性的な交通渋滞に見舞われるジャカルタでは、時として注文した食事がなかなか届かないということがある。そこで市内に各拠点を設け、そこから半径7kmという距離に絞って迅速な配達ができるよう整備が始まったのだ。

ケドヤ地区のKitchenは、その最初の拠点である。

地方発の飲食店が進出

Kitchenは現在、以下6つの飲食店が1ヶ所に集合している。

・Warung Bhakti
・Calais Bubble Tea
・Pondok Sate Pak Heri
・Sop Buntut Ibu Samino
・Gudeg Yu Djum
・Warung Anugrah Bawakaraeng

以上の店舗の中には、ジョグジャカルタやスラウェシ、スマトラといった地方発の飲食店も含まれており、Kitchenではこれらの郷土料理を注文することができる。

筆者がここを訪れたのは、平日の午後1時過ぎ。大抵の企業では昼休みが終わる頃だと思うが、それでもGrabのライダーが矢継ぎ早に会計を済ませていた。彼らはここで手に入れた食事を、それぞれの発注者に配達する。

サービス開始から僅か2か月しか経っていないが、非常に多くの注文を抱えているように見受けられた。Kitchenの中にあるどの店舗も、まさに休む暇なく料理を作っている。

出稼ぎ労働者を常連客に

今後Kitchenが拠点拡大に乗り出すとしたら、どのようなことが期待できるだろうか。

消費者にとっては配達時間の短縮という効果がもたらされるが、一方で事業者側にとってのメリットも見逃せない。Kitchenは、地方発の飲食店が首都ジャカルタに進出する機会となっていくだろう。

また、ジャカルタは地方からの出稼ぎ労働者が数多く住んでおり、スラウェシ出身者はスラウェシ料理を、スマトラ出身者はスマトラ料理を好んで食べるはずだ。Kitchenの各店舗が、それぞれの地域出身者を常連客として抱えつつ共に成長していていくという流れも期待できるだろう。

オンラインサービスが実店舗を出す動きは、Go-Jekにも見られる。

Go-Jekの飲食デリバリーサービスであるGo-Foodは、全国の都市で『Go-Food Festival』を催している。これは、Go-Foodの提携先の各飲食店が期間限定のフードコートを出店する試みだ。スマホを保有していない人にもGo-Foodを体験してもらおうという狙いもあると思われる。

Go-Food Festivalの開催地はジョグジャカルタ、マラン、パダンと、少しずつだが明らかにジャカルタから遠ざかっている。地方の中小零細業者にとっての商機拡大を提供する、という意味もそこにある。

消費者側にとっては、電子決済サービスGo-Payの利便性を知るきっかけにもなる。GrabやGo-Jekによるこのような企画により、インドネシアでの電子決済は更に普及が進んでいくだろう。

【参考・動画】
Kitchen By GrabFood-Youtube