インドネシアのシェア倉庫サービス「Waresix」による物流の革新

インドネシアは世界地図で見るよりも広大な国である。

普段見ている世界地図はメルカトル図法で、極地に近づくほど大きく描かれてしまう。赤道に接しているインドネシアは、メルカトル図法の地図では小さく見えるのだ。

しかし、インドネシアの最東端と最西端は大阪〜中国・キルギス国境の間よりもまだ長く、アメリカの東西の距離と同程度である。そのような巨大な国に物流網を巡らせるには、各都市に倉庫を設ける必要がある。そこで最近注目されているのが、インドネシア発の『Waresix』というスタートアップである。

クラウド管理システム付きのシェア倉庫

Waresixは、一言で表せば「シェア倉庫サービス」である。

小売業は「商品を置く場所」が必要不可欠だ。Waresixは国内外62拠点の倉庫を設けているが、独自のクラウドシステムを提供しているのがこのサービスの最大の特徴である。

このクラウドシステムにより、顧客はいつでも物品の在庫状況を確認できる。管理はWaresixのスタッフが請け負うから、顧客は現地まで足を運ぶ必要がない。在庫の追加、出荷、顧客からの注文依頼、帳簿整理とそのオペレーティング等もWaresixが行う。

先程、「国内外62拠点」と書いた。この内訳は国内61拠点、国外1拠点である。Waresixはタイのバンコクに倉庫を持っている。また、海産物等を保管する冷凍倉庫を保有しているのもWaresixの強みだ。

プレシリーズAで資金調達に成功

自前の物流倉庫を所有する余裕がない中小小売事業者にとって、Waresixのサービスは魅力的なものである。

そんなWaresixであるが、先日プレシリーズA投資ラウンドで160万米ドル(約1億8000万円)の資金調達に成功した。その中心に立ったのはEast VenturesとMonk’s Hill Venturesである。

Waresixの設立は2017年9月。今年2月にはEast Venturesからシードラウンドでの出資を得ている。わずか1年ほどで達成された目覚ましい成長について、各大手ビジネスメディアも大々的に報じている。

地方への進出

Waresixはその資金を、システム開発と人員確保に利用すると発表している。現時点においてWaresixの拠点はジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島、バリ島、カリマンタン島にあり、ジャカルタ首都圏に集中している。スマトラ島にはメダン近郊の港に1拠点構えるのみである。

だが近い将来を考えれば、マレーシアとシンガポールに隣接するスマトラ島は物流拠点として発展していく可能性が高い。また、外資系製造業が多く進出しているバタム島に未だWaresixの倉庫がないというのも気になるところ。逆に言えば、この辺りの地域にいつWaresixが進出してもおかしくはないということだ。

今後、このWaresixがインドネシア物流事業をどのように革新していくのか注目が集まる。

【参考】
Waresix
WARESIX-YouTube