新型iPhoneのインドネシア上陸と、eSIM対応の動向

Appleが新型iPhoneを発表した。

今年のラインナップはXS、XS Max、そしてXRの3機種。日本では9月中にXSとXS Maxが発売される。

一方で、インドネシアでの発売は9月19日の時点では未定だ。インドネシアでの新型iPhoneの発売は毎年、最初に発売される国よりも3~4ヶ月ほど遅れる。「2018年中にインドネシアで発売されるかどうか」が注目されているが、これにはTKDN(国内部品調達率)が関わってくる。

iPhoneと国内部品調達率

TKDNとは国内部品調達率を指す。インドネシアの場合、4Gスマートフォンに課せられているTKDNは30%以上。それに満たなければ輸入品と見なされ、課税される。Apple製品もその対象内となる。

現行のTKDN規制が施行されたのは2017年からで、それ以前は20%以上が4Gスマホに課せられる条件だった。こうした事情がiPhone発売日に影響しており、例えば、iPhone 6の発売日は2014年9月19日であるが、インドネシアでの正式販売は2015年2月7日までずれ込んだ。

インドネシアでの価格は?

インドネシアで新型iPhoneが発売された場合の価格はどのように設定されるのだろうか。

iPhone XSは999ドル(約11万2000円)、XS Maxは1099ドル(約12万3000円)と公表された。これを単純にインドネシアルピアに換算すると、iPhone XSは約1480万ルピア、XS Maxは1620万ルピアである。となると、XSの場合は1500~1600万ルピアの現地価格が妥当ではないか。ルピア安を見込んで、もう少し高くなる可能性もある。

2018年のジャカルタの最低法定賃金が約358万ルピア(約2万7000円)であることから分かるように、インドネシアの庶民にとって最新iPhoneは高級品だ。また、一方ではインドネシアでの新型iPhone発売前に、富裕層がシンガポールから新型iPhoneを買ってくるという話もよくある。

eSIM使用環境の整備は必須

現時点での新型iPhoneインドネシア発売は決まっていないが、今後の新型iPhoneのインドネシア上陸を見据えるとしたら、1つのポイントになるのは「eSIM」である。

別個体としてのSIMカードではなく、当初から端末内に内蔵されているのがeSIMと呼ばれるものだ。これは電話番号や使用キャリアなどの情報を自在に書き換えられるという利点があるものの、現時点でeSIMに対応している通信会社は世界的にもまだ少ない。

そして新型iPhoneはデュアルSIMで、1台のスマホに2枚のSIMを登録することができるが、中国発売モデルを除き2枚目のSIMはe仕様になっている。新型iPhoneの浸透に合わせて、各通信会社がeSIMにいつ対応するかが注目される。

IT市場調査企業IDCのアナリストBryan Ma氏は、非常に興味深いデータをTwitterに投稿している。

これによると、インドネシアではスマホ所有者の7割以上がデュアルSIMの機種を選んでいるという。しかし、eSIMの国内対応がないうちは新型iPhoneの目玉であるDSDS機能(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)の半分は稼働しないことになると言える。

eSIMのオペレーションに向けた整備が今年中に始まる可能性は十分にあり、それはインドネシアのスマホメーカーにも大きなインパクトを与えるだろう。

【参考・動画】
Introducing iPhone XS, iPhone XS Max, and iPhone XR — Apple-YouTube