インドネシアの魔術が与えるホラーゲームへの影響

インドネシアでは魔術の話がよくあり、信じている人も少なくない。

多くの日本人にとっては感覚的には理解しにくいところもあるだろうが、魔術師が職業として成立している。そして、幽霊という存在も広く信じられている。

魔術と幽霊はインドネシアのゲーム業界にも大きな影響を与えている。

インドネシアとホラー作品

インドネシアのコンピューターゲームで特に目立つジャンルは、ホラーゲームである。

日本でも『青鬼』シリーズ等のスマートフォンで遊べるホラーゲームが人気だが、それと同じような現象はインドネシアでも起きている。

アメリカの場合は、世界的大ヒット作『ハリーポッター』シリーズが禁書運動の対象になったことがある。教育現場からハリーポッターが追いやられるということが実際に起こったのだ。「魔術を奨励している」というのがその理由だった。

しかし、インドネシアではそうしたことが起こっていない。この国では性表現に対しては厳しい一方、魔術や幽霊に対しては穏健的と言える。

クラウドファンディングにインドネシアのゲームが

その中で、このようなゲームタイトルもある。

世界的クラウドファンディングサービス『Kickstarter』でキャンペーンを展開した『Pamali』だ。

これは一人称視点のシナリオ型ホラーゲームであるが、ストーリーの中にインドネシアの呪術的禁忌を取り込んでいるのが大きな特徴だ。呪術は民俗学の分野で研究されるもので、国や地域によりその姿は千差万別だ。

神話、迷信、そして怪談は、その国の気候や地理条件等を反映している。文化史を語る上でも欠かせない分野と言える。

開発元のStoryTale Studiosは、2016年開業のバンドゥンのスタートアップである。1年目は資金を融資してくれる銀行もなければ、自前のオフィスすらなかったそうだ。無料Wi-FiのあるカフェでPamaliの開発に着手したというエピソードが、Kickstarter内のキャンペーンページに記載されている。

地方間格差の是正に

IT分野におけるスタートアップの成長は、インドネシア政府が望んでいるものでもある。

ゲーム開発は、ヒットすれば、世界中のユーザーから永続的なアップデートを求められる。それが地方都市に所在を置く企業であれば、インドネシア政府が画策する地方間格差の是正を後押しする。こうした動きは今後より活発になっていくだろう。

【参考・動画】

Pamali: Indonesian Folklore Horror Video Game-Kickstarter
Pamali: Indonesian Folklore Horror | Gameplay Trailer | Folkore 1: The White Lady-YouTube