Appleがジャカルタ近郊にソフトウェア開発アカデミーをオープン

5月、ジャカルタ首都圏に位置するタンゲラン・BSDシティーにAppleの研究施設が設立された。

これは現地の学生にアプリ開発を教えるアカデミーで、ビナ・ヌサンタラ大学と大手財閥のシナルマスグループが参画している。インドネシア政府肝入りのプロジェクトでもある。

東南アジア初のAppleデベロッパーアカデミーは、今後インドネシアにどのような恩恵をもたらすのだろうか。

毎年200名を受け入れ予定

このデベロッパーアカデミーは、4400万ドル(約48億6000万円)の出資により設立されたものだ。

ここで学生たちは9ヶ月の間、Appleの講師からプログラム言語とアプリ開発に関する教育を受ける。なお、学生にはアカデミーからiPhoneやMacBookといったAppleの製品が貸与される。毎年200名の学生を受け入れる予定だ。

Appleデベロッパーアカデミーはイタリアとブラジル、そしてインドネシアの3ヶ国にのみ所在する施設だ。インドネシアの場合は、TKDN(国内部品調達率)規制がアカデミー誘致を後押ししたと考えられる。

インドネシアで4Gスマートフォンを販売するにはTKDNを満たす必要がある。4Gスマホの場合は、構成部品の30%を国内から調達しなければならない。これはソフトウェア込みの数字である。

Appleとインドネシア政府の「折り合い」

Appleは他社にOSを提供しないことで有名だ。これは「OSはクローズドでなければ」というスティーブ・ジョブズの方針でもあるが、結果的に新興国との貿易摩擦を起こしている点は否めない。

OSのライセンスを自社に留めておきたいAppleと、国内の産業発展を重視したいインドネシア政府。この中で折り合いをつけるとしたら、インドネシア国内のモバイル関連企業にAppleが出資していくという形になるだろう。また、iOSに適したアプリを開発できるインドネシアの人材も必要になってくる。

そしてもうひとつ、Appleの関連施設がインドネシア国内にあるということは、そこから法人税を徴収できるという意味でもある。

タックスヘイブン対策

インドネシア政府は外国企業に対し、現地法人の設立を呼びかけている。

数年前までよくあったのは、アイルランドや英領バミューダ、シンガポール、ルクセンブルク等のタックスヘイブンに本社所在地を置きつつ、インドネシアで商業活動をしているという例だ。2016年に漏洩したパナマ文書の影響もあり、中央政府はタックスヘイブン対策にも力点を置いている。

今回のデベロッパーアカデミー開設も、背景にはそのような事情も含めてあるのだと思われる。

【参考・動画】
Apple Developer Academy Hadir di Indonesia-YouTube