テロの被害に遭わないために今日からできる「事前対処」

インドネシア第2の都市スラバヤで、5/13から5/14にかけて2日連続の爆弾テロが発生した。

10人を超える死者を出した一連の攻撃だが、これが現地市民に与えた衝撃は大きい。また、インドネシアに駐在する外国人駐在員にとっても大きな問題である。

ジャカルタ首都圏のデポックでは、5/8に拘置所で囚人の暴動が発生した。2016年1月のテロのような出来事が、またジャカルタでも起こる可能性は残念ながらゼロではない。

今回の記事では、テロの標的になりやすい「注意するべき場所」を紹介していきたい。

①宗教施設

先頃のスラバヤでの連続テロは、カトリックとプロテスタントのキリスト教会が標的にされた。

インドネシア国民の大多数はイスラム教徒であるが、地域によってはキリスト教徒のほうが多いところも存在する。スラバヤにもクリスチャンは多い。ここで注意したいのは、カトリックの司教座(カテドラル)の存在である。

カトリックは地域毎に宣教区域を分けている。それを統括するのが司教座であるが、これは過激派テロリストの標的になりやすいようだ。現地報道でも、今回のテロを受けて「ジャカルタの司教座の様子は?」という内容の記事が出ている。

ジャカルタの司教座はモナスにほど近い位置にあり、正面に東南アジア最大級のモスクであるイスティクラルが存在する。この間を貫くカテドラル通り、鉄道のジュアンダ駅周辺は今後警戒するべきエリアだと言ってよいだろう。

②各国大使館

インドネシアに限らず、どこの国でも主要先進国の大使館は要塞のような様相を呈している。

ジャカルタのアメリカ大使館前は、常時警備の警官が配置されている。この警官は拳銃ではなく、自動小銃を持っている。攻撃があればいつでも応戦できる状態だ。

また、自動車での突進を防ぐために大使館前面にはバリケードが備わっている。これだけの警備体制が敷かれているということは、それだけ危険度が高いということだ。決して「武装警官がいるから安心」と思ってはいけない。

さらに、大使館前を通りがかった者に対しては頻繁に尋問が行われる。その場合は、決して拒否してはいけない。この時、警官の前でポケットやバッグに手を入れないこと。両手は必ず見せている状態で尋問に応じるのが正しい行動だ。

③警察署前

14日のスラバヤでのテロで標的にされたのは、警察署だった。

筆者は2016年1月にジャカルタで発生したテロを間近で見た。その際の標的は、横断歩道脇の警官詰所である。その後もジャカルタでは、警察を狙った爆弾テロが起こった。

ここからインドネシアに潜伏するテロリストは、警察を第一の攻撃目標にしていると判断してもいいだろう。逆に考えれば、警官は常に神経を研ぎ澄ませている。先述の大使館前での警備のように、「誰がテロリストか分からない」というプレッシャーの中にいるのだ。

何かしらの用事がなければ、警察署前には容易に近づくべきではない。また、予め警察署の位置を把握しておくことも重要だ。

④ショッピングモール前

2016年のテロ以降、大都市の高級ショッピングモールでは警備が厳しくなった。それ以前は金属探知機があっても素通りの状態だったが、今では来客ひとりひとりの荷物検査を欠かさないようになっている。

駐車場では、警備員が取っ手付きの鏡を車体下部に差し入れる。もし爆弾が隠されている場合にこれを見つけるためだ。

テロリストの狙いは、その国の政府に対して圧力をかけると同時に、一般市民を恐怖に陥れることと言える。彼らが爆弾テロを実行しようと思ったら、高級ショッピングモールも候補に挙がる。

2016年のテロの際、現場付近に位置しているプラザ・インドネシアとグランド・インドネシアは即座に閉館した。だが中にいた客をすぐに外へ出すのではなく、状況を確認した上で慎重に客を館外へ誘導させた。これは見事な措置と言える。

客の視点から見れば、外の安全を確認することなく即座にモールを出るのは危険だ。混乱を発生させない意味でも、まずは館外の情報を収集しつつ警察の到着を待つことが肝心である。

テロに巻き込まれたら?

ではもし、間近でテロに巻き込まれたらどうするべきか?

2016年の事件のように、野外でそれが発生した場合の状況を想定しよう。

まずやるべきは、「現場を離脱すること」である。それが難しければ、建物や遮蔽物を使って身を隠す。

しかしその際、自動車は遮蔽物として期待できないことを筆者は経験した。テロリストが最も多用する手段は自動車爆弾であり、予め現場にそれを配置している可能性がある。軍と警察はそれを分かっているから、車の脇にいる人物に銃口を向ける。

そしてこの時、もし大きなバックパックなどを背負っていたら、その場で拘束される可能性も出てくる。そのような事態を避けるには、日頃の外出に持っていく荷物を最小限にする工夫が求められる。地元民は、ショッピングの際にバックパックを背負うということはあまりしていない。

そして、テロ発生の際は現場に軍の装甲車が出動する。それと同時に爆弾処理部隊も投入されるが、彼らが来る前の現場は「トラップだらけ」と考えるべきだ。周囲に落ちている物に触れてはならない。

【参考・動画】
Anak Pelaku Bom Bunuh Diri Surabaya di Mata Sahabat-YouTube