インドネシア版Alipay!BlackBerry Messenger連携の電子決済サービス「DANA」

インドネシアではメッセンジャーアプリBlackBerry Messenger(以下BBM)が普及している。

AppleがiPhoneを発売する以前、多くのインドネシア人はBlackBerryの端末を持っていた。当時のBBMはBlackBerryだけに与えられてBBM目当てにBlackBerryを購入する人も多かった。

スマートフォンの普及により、モバイル端末としてのBlackBerryは現在あまり見なくなったが、BBMは今もインドネシア人の伝達手段として活用されている。

BBMを介した電子決済

そのBBMと連携している現地サービス『DANA』が3月21日にリリースされた。

これは電子決済プラットフォームで、スマートフォンのプリペイドチャージや公共料金などの支払いに対応する。こうしたサービスは近年珍しいものでなくなっているが、DANAの場合はBBMに組み込まれているのが特徴だ。

DANAのサービスは中国Alibabaの金融関連企業アントフィナンシャルと、インドネシアのメディア企業EMTEKによって提供されている。Alibabaグループの『Alipay』は世界最大級のオンライン決済サービスであり、Alibabaはインドネシアを含めた東南アジアに対して積極的に投資している。

DANAとパートナーシップ契約を交わしている企業は、以下の画像を参考にしていただきたい。

金融機関ではBNI、Maybank、そしてBCAと連携している。ECではBukalapak、小売業ではAlfamartとすでに契約している。エンターテイメント大手Cinema21とも連携しているため、DANAを利用して映画館のチケットを買うこともできる。

BBMは生活の一部

インドネシアでのマーケティングにおいてコミュニケーション設計を考える上で、BBMは必ず考慮するべきだ。それだけ、このメッセンジャーアプリはインドネシア人の生活に根付いている。

BBMにはPINというものがある。数字とアルファベットを組み合わせた認識番号だ。PINを知ってさえいれば、そのユーザーを特定することができる。

QRコード技術が普及する以前、PINは非常に便利なものだった。個人を特定する手段としてユーザー名を聞く方法もあるが、これは同名の人物やスペル違いも考慮しなければならない。それに比べて、PINは正確性が高い。この要素が、BBMのインドネシア普及を大きく促したという側面もある。

今でも自己紹介の際には、BBMのPINを聞かれることがある。

水道事業とスタートアップ

DANAのサービスでは、水道の料金を支払うこともできる。

インドネシアの上水道事業は、各自治体のPDAMが担っている。PDAMは「Perusahaan Daerah Air Minum」の略で、公営の事業者だ。最近では民間企業との連携も活発になっているが、DANAによる決済サービスもそのひとつである。

水道事業に民間企業を参入させることにはリスクが伴う。しかし公営企業が水源地の管理権限を保ちつつ、料金徴収などの面で民間企業を活用することにより、効率的な経営体制を構築することができる。

また、BBMのプラットフォーム自体はスマホのRAMやプロセッサーの性能を大きく使用するものではない。RAM1GB、クアッドコアCPUの低価格機種でもメッセンジャーアプリならば問題なく動かせる。

では、今後導入が考えられる新サービスは何か。やはりQRコード決済だろう。この分野に関しては、インドネシアでは国内大手通信事業者TELKOMSELの運営する『T-Cash』がすでに始動している。Alipayは中国でのQRコード決済で多大なノウハウを保有しており、インドネシアでは「BBMとの連携」を活かしながらサービス展開していく可能性は十分にあるだろう。

【参考】
DANA
Peluncuran Dompet Digital Indonesia (DANA) untuk Kemudahan Bertransaksi - Liputan6 Pagi-YouTube