シンガポール発の自転車シェアリングサービス「oBike」がインドネシアへ

シンガポールの大手自転車シェアリングサービス『oBike』が、インドネシアに上陸した。

自転車とスマートフォンが連動し、利用者は誰とも対面することなく料金を支払うことができる。時間毎の課金システムで、これから乗る自転車の予約までできるというサービスだ。

自動車に代わる新たな交通手段としても注目されている。

oBikeは2017年1月にシンガポールでサービス開始し、去年夏には4500万ドルの資金調達も行っており、海外展開も積極的だ。これまで台湾・韓国・マレーシア・オーストラリア・タイ・ドイツ・オーストリア・オランダ・イギリス・スイス等に展開してきた。

バンドゥンとバリに進出

インドネシアに進出したoBikeは、バンドゥンとバリのクタ、レギャン、スミニャックで営業を始めている。

現時点で、ジャカルタ首都圏での営業は行われていない。しかしこれについても、近日営業を開始するとしている。

確かに、oBikeのアプリを見てもジャカルタでは未だ空き車両を示すマークが付いていない。一方でバンドゥンとバリ、とくにクタ周辺はマークが複数付いている。

このoBikeは、電子決済を前提にしたサービスである。自転車を借りる際はデポジットを預けなければならない決まりで、規約違反を犯した場合はデポジットが徴収される。

インドネシア進出の足がかりがジャカルタではないのには、理由がある。道路整備が良好とは言えず、シャアリングサイクルを展開できる場所が限られるからだ。現時点では、富裕層が多く住み、港やビーチもあるアンチョールで『OurBike』という同種のサービスが始まっている。

このあたり、インフラ整備を担当する当局との連携が求められるだろう。

その場で電子決済

oBikeの料金は30分4000ルピア。日本円で約31円である。

4000ルピアを現金で出すとしたら、一番枚数が少ない組み合わせでは2000ルピア札2枚である。もし4000ルピアの商品に1万ルピア札で払ったら、返ってくるのは5000ルピア札1枚と1000ルピア札1枚だ。

oBikeのように、サービス提供者が電子ウォレットを提供することで、そのような小銭から解放されて、利便性が大きく高まる。インドネシアは200ルピア硬貨、2000ルピア札の2系金種があるとはいえ、2の倍数の価格設定は小銭不足を招く可能性がある。100ルピア単位の設定ならば尚更だ。

インドネシアではクレジットカードはおろかデビットカードも普及率が低く、銀行口座の保有者も50%に満たないと言われている。こうした背景の中、銀行口座を介さない「新たな財布」の普及が強く求められているのだ。

「電子ウォレット統合」か

次に起こり得る現象を考えると、それはもしかしたら「電子ウォレットの統合・互換化」かもしれない。

電子ウォレットは数多くのサービスが出てきており、サービスとサービスをつなぐ、電子ウォレットに特化した別のサービスが求められる。先日紹介したTADAは、ギフトカードの事業を軸にしながらこれを実行しているスタートアップだ。

外資もインドネシアのこの分野に積極的に投資をしてきている。中国のAlibabaはインドネシア大手ECのLazadaに投資を行いながら、同時にAlibabaの決済サービスAlipayを運営するグループ会社は、Lazada 上での決済プラットフォーム helloPayを買収して統合している。

中国の2大決済プラットフォームはAlipayとWeChat Paymentだが、WeChat Paymentを運営するTencentはインドネシア大手のバイクシェアリングサービスGoJekに投資をしている。GoJekは今や決済プラットフォームであり、宅配や掃除等をはじめとして多くのサービスを展開している。

インドネシア発のスタートアップで電子ウォレットを兼ねるサービスも増加しており、今後更に大きな変化が起きて、決済の利便性は高まっていくだろう。

【参考】
oBike
obike how to use-YouTube