苦境に立たされる日系コンビニ

インドネシアに進出した日系コンビニエンスストアが、苦戦を強いられている。

ジャカルタで順調に勢力を伸ばすと思われていたセブンイレブンは、今やどの店舗も閉店している。日本流の営業戦略が試される場としても期待されていただけに、その衝撃は決して小さくはない。

日系小売企業にとって、これはインドネシア市場との在り方を変えるターニングポイントになるかもしれない。

「禁酒令」の衝撃

2015年に発令された「小規模店舗でのアルコール販売規制」は、日系社会にも動揺を与えた。

この頃、日本の飲料品メーカーはインドネシアへのアルコール商品販売を模索していた。インドネシアにも「酒を飲む層」がちゃんと存在し、彼らへの商品PRの可能性を開拓できるということに気づいたのだ。

飲料品メーカーだけでなく、日本の地方自治体もジャカルタに地酒を輸出するという計画を立てていたほどだ。

日系コンビニはその営業戦略の中核になるはずだったし、小売店舗の側からしてもアルコール販売はメインウェポンのひとつだった。

それが禁止されてしまった。青少年育成のために、コンビニでの酒の販売はやってはいけないという通達が届いた。

これ以降、セブンイレブンは降下の一途をたどる。

直接指示を出せず

それでもセブンイレブンは奮闘した。店舗によっては、主婦に向けたIT教室を開いていた。

ただし、それを日本の本社が積極主導して展開するということはしなかった。いや、できなかった。

そもそも、インドネシアでの小売店舗事業は外資規制の対象になっていて、「日本の本社がジャカルタの店舗に直接指示を出す」ということができない。ロボットを操縦するのに、他の人間にリモコンを持たせて自分は言葉で指示を与えているようなものだ。だが繰り返すが、このやり方でしか現地の店舗を運営できなかったのである。

結局、これらの要素が最後まで大きな足枷となってしまったようだ。

インドネシアの「厳しさ」

この国の小売店舗業界の「厳しさ」を知った以上、日系財界は何かしらの対策を講じなければならないだろう。

「インドネシアはこれから伸びる。進出さえすれば、それ相応のパイが見込める」と単純に考える時代は終わった。セブンイレブンの場合は酒類販売禁止という「不運」もあったが、その二の舞いを踏まないためにはより複合的な戦略ビジョンを立てつつ進出計画を実行するべきだ

もっとも、そうは言ってもインドネシアの複雑なビジネス事情には向き合い続けていく覚悟が必要だ。