休日が1日増えた!

6月15日、インドネシア政府は一斉休暇日として6月23日を指定した。もちろん、断食明けに合わせての日程だ。

それ自体は至って自然の流れである。だが問題は、国の休日を1週間前に決めてしまうという点だ。先進国では絶対にあり得ない。日本などは、新しい祝祭日の制定を巡って国会で論争が起きる。

ところが、インドネシアではそうしたことがあまりないらしい。

休日の多い国

この国は世界的に見ても、国家指定の休日が多い国だと筆者は考えている。

インドネシアは、イスラム教国家というわけではない。内実はさておき、体制としては世界の主要宗教の信者に対して平等に権利を与えている。だから政治家も、何かしらの規制を行う際に「私自身はムスリムだが、政策実行と宗教は関係ない」と主張することもある。

イスラム教徒が突出した権利を有しているわけではない、という前提で国家が運営されているのだ。

それは休日選定にも表れている。各宗教の祝日が、もれなく国全体の休日に指定されている。この点もインドネシアの「休日の多さ」の一因である。

しかしそれにしても、6月23日の休日指定を6月15日に決めるというのは日本人からしてみれば驚きの一言であるが。

政府決定を見越して

先述のように、日本ではたった1日の休日指定を巡って議論が発生する。

たとえば、5月1日のメーデー。国際的には休日になっている場合が多いが、日本ではゴールデンウィークと重なってしまう。だから重工業関係者と金融関係者はメーデーの休日化に消極的だ。とくに株式市場をまるまる1週間止めるわけにはいかない。

巷に与える影響も大きいはずだ。政府が思いつきのように休日を指定したら、市民の間に混乱が生じる……と思いきや、巷ではそれを見越して23日から断食明け休暇にしている場合が多いという。

筆者が日頃世話になっている総合格闘技道場『Warrior』は、政府の決定よりも遥か前に「今年のレバラン休業は23日から」としていた。他の商業施設も、やはり休業は23日スタートという決定を今月15日以前に下していたそうだ。

ラマダン明けの「民族大移動」

ともかく、休日が1日増したことで今年のホリデーシーズンはボリュームアップしたというわけだ。

そのせいか、旅行カバンを売る露店がだいぶ増えたような気がする。インドネシア人にとっての断食明け休暇といえば旅行だが、近年の経済成長で海外へ出かける人が増えている。それと同時に、旅行カバンの売り上げが伸びているようだ。

海外旅行でなくとも、インドネシアは広大な地域だから国内旅行者も多く存在する。レバラン休暇前後の鉄道チケットは、筆者が確認した限りでは完全に売り切れている。LCCの航空券もかなり値が張る。筆者は今月29日にバリから日本へ帰るのだが、その前にジャカルタからバリへ向かわなければならない。早めにエアアジアのチケットを買ってよかったと考えている。

ジャカルタは、インドネシア各地から人が集まる都市だ。逆に言えば、ホリデーシーズンには「民族大移動」が発生するということ。無理やり原付で長距離及び過積載走行を敢行し、事故を起こして命を落としたという話も聞くことがある。

とはいえ、やはり現地の人々にとっては23日の一斉休暇日指定は喜ばしいことだろう。